新宿駅から地上へ出たら、ちょうど日付がかわり、あちこちでメリークリスマスとか声がした。まあ、一人で歩く僕には関係のないことですね。新宿駅構内は深夜になると数箇所の通路が閉鎖されるため、京王から新南口までは大回りした。南口・高島屋周辺はあまり浮かれていない。まずは代々木側から千駄ヶ谷の商店街を目指す。この商店街は昼間はちょっと寂しいが、夜の照明はきれいだ。ひと気はない。
神宮前二丁目商店街を抜け、キラー通りから原宿団地に至る。夜の古い団地はなんだか怖い。こんな場所に団地ってのも、そもそも特異ではあるけれど。
南青山のエイベックスの脇から長者丸商店街へ入る。エイベックスはツリーの電飾があったが人はいなかった。金曜の夜なのに、ここらへんも静かなものだ。もう時間も時間だけど。新宿からここまでで40〜45分くらい。東京って意外とそんなもんです。
途中に警察官がいたけど自転車の人に話しかけていたので、地元民を装って素通りした。青山陸橋から麻布の路地を通り抜けて西麻布交差点へ。すでに浮かれ時間は終わったらしい。
広尾散歩通りも、親子連れがマンションから出てきたほかは、あまり人を見かけなかった。どうしたクリスマスイブ前夜。もっと俺を惨めな気持ちにさせて見せないか。(?)
北里通り、神応小学校前交差点。古い商店街だが、写真にすると照明の色合いがきれい。ここから高級住宅地の三光坂を登る。周囲から見たら、完全に場違いな人間が歩いているように見えるだろう。見てる人もいないか・・・。
日吉坂下から桑原坂へ。また路地に入って、高輪台駅を通過。マンション街のあいだを下って、品川駅の少し南・第一京浜へと出た。車は少ない。品川はホームレスが少なくていい。今回はルートのせいか、あまりそういう風体の人を見かけなかった。
2時15分ごろ品川駅を通過。泉岳寺から、大きく曲がった伊皿子坂を登る。今回は意図的に、坂を登ったり降ったりするルートを設定している。坂の上の伊皿子交差点にあるバス停のベンチで、持参のごまだれ団子と自販機のジャスミン茶で休憩。さむい。
休憩を終えて、近所の公園のトイレを拝借。三田方面へ降りていくと、東京タワーがよく見えるポイントに。やはり深夜歩きはこういう風景を見なくては。シャッターチャンス。全部三脚とかなしなのでブレてばかりだが。
三田一丁目からは、歴史ある「綱の手引坂」へ。また坂を下りて首都高をくぐって、二の橋交差点。特に何もないけれど、振り返って撮った写真。
今度は仙台坂を登る。以前バスで通った時も思ったが、本当にこのあたりは傾斜がきつい。もうひと頑張り。
坂の上にある麻布高校前から路地に入り、北条坂へ。日赤病院下交差点で外苑西通りを渡り、急な傾斜を斜めに登る堀田坂。登った先は広尾ガーデンヒルズ、そして日赤医療センター。日赤通りの商店街へ出て、東京女学館脇の道を入り、下っていく。このへん全部暗いのよ・・・。もちろん誰もいない。平和そのもの。
東四丁目交差点からは、常陸宮邸と國學院の間の坂を登る。今回最後の登り坂。名前は知らない。國學院の前あたりが峠で、また渋谷川に向かって下る。東交番前交差点から渋谷川沿いに行けば、終着地の渋谷だ。
いくつもの坂をのぼりくだりしてようやく着いたが、まだ時刻は4時すぎ。井の頭線の始発まで50分もある。まだ歩き始めて4時間ちょっとしか経ってないのだった。明け方の一番冷え込む時間帯なので、じっと待つのが何よりつらい。日が昇るまで漫画喫茶にでも逃げ込むほうがよかったか・・・でもどこかへ歩くのも疲れるし、ただ立ち尽くしていた。
その後の列車の接続を待つ明大前駅はもとより、帰った八王子市内はもっと寒かった。歩いたあとだから余計に身体が冷えた感じがした。
ということで、クリスマスイブ前夜の東京はあまり浮かれていなかった。こんなことをやっている自分のほうが、まだ浮かれているのかもしれない。
(歩行:2006-05-24未明 / 編集・掲載:2009-11-10)
※この記事はしかすけ本人サイト掲載の記事の再編集です。