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2006年05月14日

東京深夜散歩 新宿 - 浅草編

 東京は眠らない街だ、と昔からよく言われる。本当だろうか。せいぜい終電あたりまでの東京の様子しか知らない、という人は案外多いのではないか。終電過ぎたら、大抵の人は朝までやってる店にいるわけだし。意外と、深夜のど真ん中の様子って見る機会がないのではないだろうか?

 ・・・というわけで、試しに一人で夜通し東京を歩いてみた。その記録です。

 いくら日本一の都会だと言っても、行程が行き当たりばったりだと時間を持て余したり休憩できなくて辛かったりしそうなので、一応のルートは事前に考えておいた。今回は新宿を起点に、東京駅・上野駅を経て浅草へと向かう。京王線沿いに住んでいるので(記事掲載時点)、新宿か渋谷が起点だと便利だ、というそれだけの理由だけど。


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 地元の駅から上りの京王線列車に乗り、ほぼ0時くらいに新宿に到着。当たり前だが、上り電車は空いていたし、下り電車は混んでいた。新宿の0時と言えば、まだ各方面への終電というには若干早いくらいで、人もたくさんいる。僕は四谷方面へと歩き出した。少し歓楽街を離れると、途端に人も減る。こんな地域じゃ、帰宅するために歩いている人だって少ないわなぁ。

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 上の写真は「暗坂」(くらやみざか。坂ファンなのでわざわざ脇道の階段を登って撮影)。これを過ぎてしばらく歩くと、JR四ツ谷駅。いまだにツが必要なのかどうかよくわからなくなる四ツ谷駅である。僕が駅に近づくと、ちょうど改札のシャッターを閉めるところだった。お店で言えば閉店の瞬間だ。

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 ここで時刻はだいたい午前1時。四谷はビジネス街と歓楽街の境のような場所で、酔って騒ぐ人も見当たらない。この先を歩く身としては、人がいないというのはちょっと怖い。
 橋からホームを覗くと、保線作業員(たぶん)の方々が端っこに集まって打ち合わせしていた。これから働く人もいるんだよなぁ。灯りだけがついた深夜の整然としたホームって、なんかきれいだよね。都心だとよけいに。

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 ほとんど人の歩いていないオフィス街・新宿通りを歩き、そろそろ一息入れるために横道に入る。紀尾井町交差点にあるお店で、ポテトとコーヒーを注文して休憩。ちょっと早いけど、ここで休んでおかないと、この先しばらくお店がなさそうなんだもん・・・。客は僕以外に一人、サラリーマンらしき方がいました。お疲れ様です。僕はこのあたりで働く事すらないだろうけど・・・。

 下の写真は平河町の文藝春秋のビル。深夜にこういう場所を歩く時は、いかにも仕事か何かですよという顔をしていると街に溶け込める・・・気がする。あ、服装がスーツじゃないとダメか。

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 プリンスホテル脇の諏訪坂を下って、永田町交差点に出る。言わずと知れた官庁街だ。見事に人がいない。周辺の官公庁の建物がみんなバカでかいのに、かなり暗くて、怖い。防犯で灯りとかつけない。最高裁って夜はすごい暗いんだね!(暗いので写真はありません。) スボーツタイプの自転車に乗った人に追い越された他は、誰も見当たらず・・・。

 三宅坂交差点で、ついにお堀に出た。深夜の静かな水面に、ビルの灯が反射する。この先は警視庁もあるし、皇居が近いから、小さい交番も多い。いろいろやっかいがあると互いに不幸なので、警視庁のすぐ前側の歩道は歩かないようにした。下の写真は警視庁前から隼町方面を撮ったもの。

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 こんな時間だけど、桜田門の地下鉄の出入り口の奥から電車の音がした。何食わぬ顔で桜田橋の交番(警官もいた)を通過。特に何も言われなかった。
 その先の祝田橋の交差点は押しボタン式になっているのだが、しばらく気づかずにぼーっと待っていた。あんな変な交差点だとは知らなかった。ドライバーの方々は、こんな時間に渡る人がいると驚くだろうか。申し訳ない。
 信号の先には、ようやく日比谷の繁華街が見えてくる。ここから馬場先門のほうへ左折する(→以下の写真参照 上:日比谷のお堀の角 下:馬場先門方面)。

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 深夜のお堀はもう充分堪能したので、丸の内仲通りへと入ってみた。東京駅の至近でオフィスが多かったこのあたりも、近年はショッピング街として売り込んでいるようだ。中には、夜中でもウインドウを綺麗にライトアップしたお店もある。

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 このあたり、引越し作業や道路工事で、深夜なりにけっこううるさい。東京駅の前まで行くにも、工事でどこの歩道が通れるのかよくわからなかったりする。丸の内近辺の通過時刻はだいたい2時15分くらい。新宿を出た時間を考えたら、意外と早い。・・・まずい、時間が余る。ここからは建物も純粋なオフィスビルが多く、暗くてつまらないので写真を撮ってない。僕は足早に淡路町方面へと進んだ。

 交通博物館前(この時はまだあった)を通過して、秋葉原へ到着。深夜の秋葉原は驚くほど暗かった。昼間はギラギラしているのに、夜は看板すら点灯していない。電気街なのに普通の深夜の繁華街より電気意欲(?)が少ない。唯一とても明るいドン・キホーテでトイレに入り、梅酒とチョコを買った。このあたりからは、地域のせいか時間のせいか、クズ屋さんがうろうろしていた。

 板チョコをつまみに梅酒を飲みながら、中央通りと山手線の間の路地を歩いた。はたから見たら、完全によくわからないダメな人である。松坂屋の裏を通り、上野アメ横に到達する。商店街は道路工事をやっていたのであまり近づかなかった。

 それにしても上野駅周辺は、やはりホームレスが多い。なので写真はない(笑)。一応駅前のところはぐるっと歩いたが、まだ始発を待つにしてもやや早い時間だから変な目で見られる。さっさと東へ折れて、下谷神社前を通過。ここは明るかったので写真が撮れた。

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 上野から浅草は近い。地下鉄の駅の数が多いから遠く見えるが、古い路線だから駅間が短いのだ。田原町駅を過ぎるといよいよ浅草。商店街のアーケードに入ると、ここもホームレスのたまり場だった。「店前就寝禁止」の鎖と札もお構いなし。ダンボールと人体がごろごろしている。観光地・浅草の裏の顔と言えるだろう。

 4時10分ごろ、人のいない雷門で最後の撮影。仲見世に電灯がついているので、明るい。雷門に本当に人がいないタイミングなんて、そうそう撮れるものではないから、これは個人的にはお宝写真だ。お宝写真とかで検索して来られたら困るけど。

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 深夜の東京という街は、やはり確実に眠っていると思う。かなり短い睡眠時間かもしれないが。今回歩いた地域は夜間人口の少ない地域なのだから、しっかり眠っても良いと思う。それが寂しいとは感じなかった。そして、人のいない大都会を歩くのは、とても気持ちがが良いということにも気づいた。

 順調に浅草に到着したものの、やはり時間を余らせてしまった。比較的ホームレスなどのいない池袋駅行きの7番のバス停のベンチに座って、地下鉄の始発までの30分を過ごした。歩き終わるのを待つかのように、夜明けの街にはらはらと霧雨が降り出していた。

(歩行:2006-05-13 / 本記事の編集・掲載:2009-11-13)
※この記事はしかすけのサイト・ブログ掲載のものを再編集したものです。
タグ:散策 東京都
posted by しかすけ at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 深夜散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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