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2017年08月14日

【レポート?】あのえな命 1stLIVE@モナレコード

2017年8月13日(日)、いつまでも梅雨のような天気が抜けない、小雨そぼ降る東京・下北沢。ネットのお知り合いの、あのえな命(めい)さんのライブに行ってきた。そう言えば下北沢駅が地下化してから初めて降りたなぁ・・・。下北沢自体はもう20年くらい付き合いのある街なのだけど、商店街全歩行が終わったここ数年はご無沙汰。▼わたしです。

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今回初めてお邪魔するモナレコードさんのライブスペースは、下北沢らしい小型ビルの小狭い階段を上がった3階。下階で食堂も経営されている。

ちょうど、その前のmichiさんの出番前に到着した(体調良かったら全部観たかったが、鼻があまりにグズったので前半2組は断念)。15脚ほどの椅子といくつかのテーブルがあるこじんまりしたスペースで、居心地は悪くない。michiさんの壮大な音楽と下ネタ芸人顔負けのMCでかなり場が温まり(と私は感じた)、ちょっと時間が押していたためほんの少しの調整のあとに暖かさを残したまま、この日最後の出番となるあのえな命のライブがスタート。アコースティックギター弾き語りのシンプルな形式である。緊張を振り払うかのように、立て続けに3曲を披露する。

いつもはニコニコ生放送の配信で聴いている、あの曲たちが、目の前で奏でられている。まずそれだけで、状況的におもしろい。

(・・・あー、私は音楽については別に専門ではないので、しかも普段はクールスとかシャネルズとかシャープホークスとか内田裕也(!)とか聴いてる野郎なので、音楽的にどうかは突っ込んで書きません。てか書けません。歌は専門学校でちょっとだけ勉強したけど(うまくない)、楽器や音楽理論はサッパリだからね! 以下、足りない日本語で頑張って書きます。)

彼女の曲は出だしを一聴すると少し眠たげで心地よい、ふんわりした可愛らしいフォーク系に聴こえるかもしれないが、彼女は時折、突き刺さるほど強めの演奏と歌唱をブチ込んでくるので、そのたび神経にバチバチとした刺激を取り込むことになる。それはもう痛いくらいに。ただそれは決して演技的ではない。また、自分に入り込みすぎもしない。人間が話す時にすべてが何かに乗っ取られたようにはならずどこか無意識に客観的である(から会話が成立する)ように、MCの調子からそのまま、どんな強弱の時も彼女として歌っているように感じる。私から見てパフォーマンスのどの部分も透明に感じるのは、そういうことなのかもしれない。以上推測! 本人怒ったらごめんね。

誰みたいとか何のジャンルみたい、なんて言葉は彼女は欲しくないだろう。ただ、音楽が彼女自身の表現手段として自由に組み込まれている、ということだけは感じた。音楽をやってるというより、あのえな命をやっているのだ。

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当人には「過去なんてどうでもいい」と言われそうだが、彼女を知ったのは2014年の7月くらいで、ニコ生においてベッドの上でTシャツ短パンで腹筋をする配信をしていた。私は船に乗っていて、なんとなく降りた(この表現はわかる人だけわかってください)。私は何かを感じてコミュニティ登録をした。「こいつは何か面白そうだ」という勘だけが、私が人の配信を視聴し続ける理由であり、何がというわけではないがあのえな命という人にはそれを感じたのだ。例えばオノ・ヨーコさんの話(というかコメント)を私が振ったのはいつだったか忘れたが、それに返せる20代女子はそうそういないだろう。

その後腹筋配信はされなくなったが、年が明けると、布を引いて照明をいろいろといじって様々な自己演出をしだした。その頃からたまに歌っていたと思う。そしてさらに、喋るように素早くカタカタとタイピングして、あまり喋らなくなった。1年後くらいには、自分らしく笑えるようになった、みたいなことを言っていたように思う。配信はかなり不定期になったものの、2017年には歌を中心とした配信が頻繁に行われるようになり、この日のライブへとつながっていく。人によって見始める時期が違えば様々な印象を持たれそうな人なのだが、私には、地道にひとつひとつ自己の自由を開放し、狭い自分らしさを捨てて自由になっていく過程を観察している感じがするのだ。

ネット文化にあまり浸かってない人からすると、たまたまランダムに腹筋配信をしていた人を見つけて直接喋ることもなく3年以上もユルくつながって、ついにライブを聴きに行き握手することになるなんて、そんなことある? と思われるかもしれない。でもそれが、ネットの面白いところだと思う。私「しかすけ」自身、2002年頃にネットの泡沫から生まれて、そのうちに散策活動を行い、いくつかのラジオ・テレビに出たりした(映像メディアに出る機会はもうないと思うが)。人は誰だって、この先何になるかはわからないし、死ぬまでは何にだってなれる。人間を枠の中に収めて紹介するような便宜的コミュニケーションとはまるで違う、知りあった他人が果たしてどう発展するのかすらわからないというリアル感を、一定の距離を測りつつ無理なく追っていけるのがネットの魅力のひとつであることは疑いようがない。もちろん途切れてしまうことも多々あるが。

ライブでの彼女は緊張もあっただろうが非常に逞しく感じたし、最後に歌にお礼を織り込み、さらにマイクを外して肉声で歌うなど、短い時間ながらパフォーマンスも良かった。しかしMCでやや恥ずかしそうに話す姿には確かに腹筋配信の頃の面影を感じ、まるで3年間を30分で俯瞰したような感覚も得た。いま良い時間と空間を作っていくことに比べ過去なんてさほど意味はないが、私は彼女のその努力と足跡に心から喜びを感じるとともに、リアルのライブを通して「ネットっていいもんだな」と改めて実感させてもらえて、とても幸福な一夜だった。本当に頑張ったと思う。お疲れ様でした、ありがとう。

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※終演後、ほとんどの観客が並ぶ(ように見えた)長蛇の物販が。コミケかな(当日でしたね)。


以下のリンク先でCDとキーホルダーが通販されているので、よろしくお願いします。
https://anoenamei.booth.pm/

「あの娘の胸騒ぎが本当になる」ニコニココミュニティ
http://com.nicovideo.jp/community/co2102092

posted by しかすけ at 01:52 | Comment(0) | イベント・オフ会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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